群馬県前橋市のTHE W Relax Garden Resortに隣接する「道の駅 まえばし赤城」は、2023年3月にオープンしたまだ新しい道の駅。関越道・渋川伊香保ICおよび駒寄スマートICのどちらからでも車で10分の距離にあり、都内からなら練馬ICからおよそ1時間30分と日帰りでも行きやすい。飲食店が多く、親子で遊べる施設やBBQ場、地元の農産物が集まる直売店や海なし県なのに鮮魚センターまであり、日帰り入浴施設まで揃っている。『田舎暮らしの本 4月・5月合併号』(宝島社発行)掲載の「2025年版 道の駅大賞」で全国総合部門1位に輝いた、魅力あふれる道の駅は一体どんなところなのだろうか。
■芝生広場やテント設営エリアもある
広い芝生広場で遊んだり、飲食メニューをテイクアウトしてピクニック気分を味わったりできる
「道の駅 まえばし赤城」はとにかく敷地が広く、まず499台収容できる駐車場は県内の道の駅で最大級のスケール。開放的な芝生広場には子どもが思いっきり遊べるアスレチックやふわふわドームが設置され、その周囲には健康遊具もあるので大人も一緒に楽しめる。飲食店のテイクアウトメニューをここで味わうというのもありだ。 手ぶらで楽しめるデイキャンプ場もあり、用具だけでなく食材もセットになったプランがあるので、道の駅で気軽にキャンプを体験できる。ドライブついでの立ち寄りスポットというより、ここで1日過ごすために訪れたっていいのだ。
■17の飲食店でグルメを満喫
飲食店の充実度もこの道の駅の魅力だろう。地元の人気店などさまざまなジャンルの飲食店が17店揃い、前橋・赤城の地場野菜を取り入れるなど地域性を感じられるメニューが多い。 例えば、「Hutte Hayashi Restaurant(ヒュッテハヤシレストラン)」では、赤城山麓の自社牧場で飼育された「福豚」を使ったメニューや、地元の新鮮野菜を取り入れたサラダバーが味わえる。数量限定の「ローストポークプレート」は、低温調理でやわらかく仕上げた福豚のローストポークを特製ソースでいただくというもの。ライス、ソーセージ、色とりどりの野菜も添えられ盛りつけもおしゃれだ。 サラダバーには地元で採れた旬の野菜をふんだんに取り入れられており、手作りドレッシング、数種類のオイルやビネガーなど好みの味に整えられるのもうれしい。それぞれの野菜には栄養やマメ知識などちょっとしたコメントが添えられていて、食材にストーリーが加わることでおいしさがさらにアップする。また、群馬県を代表するブランド牛といえば「上州牛」。その上州牛を100%使用したビーフパティを堪能できる「100%上州牛バーガー」が食べられるのが「Btanical cafe KING-GOD(ボタニカルカフェ キングゴッド)」だ。観葉植物に囲まれた店内はまるで植物園のような癒しの空間。オーガニック米粉を使ったグルテンフリーのパンケーキや、地元産野菜を使ったスムージー、こだわりのコーヒーなども提供しているボタニカル・カフェだ。 「ベーカリーズキッチン オハナ」は関東各地で大人気の窯焼きベーカリー。前橋市初出店となるのが「道の駅 まえばし赤城」にある店舗だ。店内で生地からパンを作り、その日に焼いたパンを味わえる。国産小麦を含め15種類の粉や、パンに合わせた自家製天然酵母を使用するなど本格的だが、ファミリーでも楽しめるカジュアルなメニューが揃っている。春休みや夏休みには、子どもパン教室の開催も予定している。
■スイーツメニューもチェック!
食後のデザートや、遊んだあとのおやつにぴったりなのが道の駅内にあるスイーツのお店。群馬県にこだわった商品が集まる「わぬき屋」は、群馬名物の焼きまんじゅう、焼きまんじゅうを使用したラスク、焼きまんじゅうソフトなど、地元のソウルフードをさまざまなスタイルで堪能できる。このほかスムージーやアイスなどもあり、「道の駅まえばし赤城」で栽培された「まえばしバナナ」を皮ごと使ったメニューがある。 「わぬき屋」の隣りにある「ふるしゅ」は、フルーツと野菜を使ったドリンクやスイーツを楽しめるお店。水や砂糖を一切使わず、野菜と果物のみで作ったコールドプレスジュースが自慢で、素材そのもののおいしさが味わる。グリーン、オレンジ、レッドの3種類のジュースがあり、季節限定のメニューも登場する。 こだわりのバターや群馬県産の小麦粉を使用したバームクーヘンが自慢の「ザ・バターバーム」は、製造工程を見ることができるレイアウト。バームクーヘンがくるくると回りながら焼きあがっていくのが楽しく、バターや甘い香りが食欲を刺激する。店内でイートイン可能で、テイクアウトして芝生広場で食べてもいい。もちろん、おみやげに持ち帰るのもおすすめだ。
■こだわりの店舗が並ぶフードコート
地産食材が味わえる前橋を代表する4つの名店が並んだフードコートも見逃せないグルメスポットだ。どの店も道の駅初出店で、ラーメン、うどん、イタリアン、定食とジャンルが分かれているから幅広いニーズにマッチする。また、ここならではのオリジナルメニューが味わえる。 フードコートのラウンジには約160席を完備。さらに屋外テラスもあるのでゆっくりと食事を楽しめる。 行列ができる市内の人気ラーメン屋が出店した「前橋・赤城 らーめん翔鶴」は、地鶏をじっくり煮だした黄金色のスープがこだわり。なめらかでコシのある自家製麺との相性もいい。また、昭和初期創業の老舗うどん店が出店する「うどん処ぬくい」は、道の駅限定メニューとして赤城鳥のおっきりこみや群馬県産バラ肉のつけ汁うどん、県産野菜の天ぷらなどを揃えている。 イタリアンレストラン「Rocco」はイタリアから輸入した最新の本格ピザ窯を完備し、本格ピザを焼きたてで味わえる。赤城鶏と地元野菜を使った「赤城鶏の照り焼きピッツァ」や、前橋産の豚肉を使った「まえばし赤城ナポリタン」など、さまざまなメニューに群馬県らしさが盛り込まれている。 そして、「地産地消食堂アカギメシ」はガッツリ食べられる和定食メニューが揃ったお店。赤城牛のローストビーフ丼や、やまと豚の豚丼など、地産地消を意識し、なおかつ地元食材の魅力をより引き立てる道の駅オリジナルメニューが味わえる。
■農産&畜産物に鮮魚まで買える!?

季節ごとの地場野菜が並ぶ農畜産物直売所「AkagiFarmLife」
地元特産品の買い物も道の駅を訪れる楽しみのひとつだ。農畜産物直売所「Akagi FarmLife」は、赤城山麓一帯で栽培された野菜や、前橋の特産品である豚肉や加工品などが直売されているコーナー。この施設がユニークなのは、生産者が毎朝採れたての野菜や果物を出荷している。四季折々で旬の野菜や果物が並ぶので、ライブ感を味わうことができる。 また、建物内には物産販売コーナーもあり、前橋・赤城の厳選食材による道の駅オリジナル商品など、おみやげにぴったりなアイテムが揃う。 群馬県は海なし県だが、なんとこの道の駅の敷地内には「前橋赤城鮮魚センター」がある。商品は神奈川県や石川県などの漁港から直送されるため、太平洋と日本海の旬の魚がいち早く楽しめる。また、店舗では職人がさばいた鮮魚のお寿司や海鮮丼を提供。購入した商品を三枚おろしや刺身に加工してくれるサービスや、包丁を研いでくれるがサービスが無料で利用できるというからありがたい。
■観光案内所も活用しよう
「道の駅 まえばし赤城」には敷地内に観光案内所が設置されている。豊かな自然に恵まれた前橋・赤城の観光情報を発信し、ローカルな観光地をめぐるガイド付きのツアーも実施している。また、サイクルステーションを併設しているので、ここで電動アシスト自転車「E-bike」をレンタルし、周辺観光に出かけることも可能。観光案内所では、道の駅周辺のほか、赤城山の自然を体感できるサイクリングツアーを提供している。
■温浴施設でリラックス

ドライブ帰りや道の駅で遊んだあとに「まえばし赤城の湯」の美肌の湯を満喫
道の駅の敷地内にある「まえばし赤城の湯」は昭和レトロな温浴施設。昔懐かしい銭湯の雰囲気を再現し、受付は番台風になっており、浴場には、日本でただ1人の女性銭湯ペンキ絵師、田中みずきによる赤城山の背景画が描かれている。また、「サンゴライトバスソルト」を導入した湯は、水分を保って皮膚の乾燥を防ぐ効果があるといい、“浸かる化粧水”と称されている。露天風呂も完備し、季節ごとの赤城の風景を眺めながらリラックスするひとときが格別だ。 買い物や食事、入浴までできる「道の駅 まえばし赤城」は、群馬県中央部に観光に出かけたときの休憩地として最適なところ。例えば、赤城山への登山や、その山麓に赤城大沼でウォーターアクティビティを楽しんだ後、立ち寄りスポットとして最適だ。また、首都圏から伊香保や草津、水上・谷川などに出かけたときも、行き帰りにもちょうどいい場所に位置している。ドライブの休憩場所として重宝するが、年間約200のイベントを開催予定だというので、道の駅で楽しむことを目的に訪れても十分満足のいく1日を送れるだろう。